就業規則は自社で作成できる?社労士に依頼するメリット・選び方のポイントは?
就業規則は自社で作成できる?社労士に依頼するメリット・選び方のポイントは?
従業員を雇用し人数が増えてきたタイミングや、助成金を申請したいと思ったタイミングで就業規則の作成を検討することが多いのではないでしょうか?
就業規則作成時には自社で作成するのか、費用を払って外部の専門家に依頼するのかは悩まれるポイントかと思います。
本記事では、
- 就業規則はいつ作ればいい?
- 自社で作ることはできる?
- 社労士を選ぶ際のポイント
についてまとめています。
就業規則はいつ作成する?
10人以上の会社は就業規則作成義務がある
労基法にて、「常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない」とされています。
「労働者」にはパート・アルバイトの従業員も含みます。
10人に満たなくても早い段階で作るケースも多い
就業規則には、勤務時間や給与についての事項をはじめ、会社が従業員に守ってほしいルール、会社の福利厚生なども規定します。
会社のビジョンやルールを明確にするために、早い段階で就業規則を作成することは効果的です。
また、近年は未払い残業代の請求が話題になっていますが、給与の計算方法についてきちんと規定しておくことで就業規則は会社を守るためにも役立ってくれます。
就業規則は自社で作成できる?
自社での作成も不可能ではない
厚生労働省のモデル就業規則が公開されていたり、雛型データが付いた就業規則作成の書籍も販売されていたりするので自社での作成が不可能ということはありません。
しかし就業規則はきちんと会社の実態に合わせて作成するとトータルで100ページ近くなり、労基法の知識がなければ理解が難しい箇所も多いです。
さらにフレックス勤務制・リモートワーク制度を導入していたり、会社独自のルールを定めたい場合には、一般的な雛型を見たりネットで検索した知識だけで作成することは難しくなってきます。
自社で作成するメリット・デメリット
自社で作成するいちばんのメリットは費用を抑えられる点です。
社労士など外部の専門家に依頼すると数万円〜50万円程度の費用がかかるため、これを抑えるために自社で作成するというケースが多いかと思います。
自社で作成するデメリットは、以下が挙げられます。
- 労基法や関連法規の知識がないと作成にかなりの工数がかかる
- 規定に抜けがあると従業員を懲戒処分できなかったり、多額の未払い給与を請求されるなどのリスクがある
- 助成金が受給できない可能性がある
せっかく時間をかけて作成しても、後日専門家に依頼すると全て作り直しになるというケースもよくあります。
社労士に依頼する際の選び方のポイント
①就業規則作成の経験豊富な社労士を選ぶ
一口に社労士といっても、就業規則に力を入れている社労士もいれば、助成金の申請に注力している社労士がいたり、年金相談に特化していたり、それぞれ得意分野が異なります。
ホームページをみたり実際に問い合わせをして、就業規則の作成経験を確認してから依頼すると安心です。
②自社の業種・業態に理解のある社労士を選ぶ
業種・業態により勤務体系の特徴や業界独特のルールがあるため、自社の業界に理解のある社労士を選ぶことも重要なポイントです。
例えばクリニックならクリニックに特化した社労士を、スタートアップ・ベンチャーならそれらに強かったり経験が豊富な社労士を選ぶなど、業種・業態への理解度で選ぶと失敗しづらいです。
③フィーリングが合う社労士を選ぶ
就業規則の作成依頼をきっかけに、社労士と顧問契約を結ぶケースも少なくありません。
就業規則作成のやり取りの段階から、社労士とは頻繁にコミュニケーションを取ることになります。
コミュニケーションがしやすいか・フィーリングが合うかも確認してから選ぶとストレスなく関係を築くことができます。
また、悩みがあった時に電話で直接話したいのか、会社に訪問してほしいのか、チャットでクイックに解決したいのか、についても好みが分かれるかと思います。
使用するコミュニケーションツールについても問い合わせ時に確認しておくと良いでしょう。
④相場より安すぎる場合は注意
内容によっても変動しますが、就業規則の作成を社労士に依頼する際の相場は20万円〜30万円程度です。
中には5万円などの格安のサービスもありますが、安すぎる場合は要注意です。
雛型にはめ込むだけでなくきちんとヒアリングして会社の実態にあった就業規則を作成してもらえるのか、確認してから依頼しましょう。
まとめ
就業規則は会社の根幹となる非常に重要なものです。
自社で作成できないことはないですが、リスクやかかる工数を考えると就業規則作成時には専門家に相談することがおすすめです。