4月の給与計算は要注意!2024年度の健康保険料率・介護保険料率・雇用保険料率は?
例年、春には社会保険・雇用保険の保険料率が変更されます。
本記事では、社会保険・雇用保険の保険料率について
- 今年の変更の有無について
- 給与計算実務上の注意点
についてまとめています。
健康保険料率・介護保険料率は3月分(4月納付分)から変更
健康保険料・介護保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます。
保険料率は都道府県ごとに異なり、協会けんぽのホームページで確認することができます。
令和6年度保険料額表(令和6年3月分から)はこちら:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat330/sb3150/r06/r6ryougakuhyou3gatukara/
東京都の場合は昨年より保険料率が下がっています。
2023年度 | 2024年度 | 昨年との比較 | |
---|---|---|---|
健康保険料率 | 10.00% | 9.98% | -0.02% |
介護保険料率 | 1.82% | 1.60% | -0.22% |
また、同じ社会保険ですが、厚生年金の保険料は18.3%で固定されており毎年の変更はありません。
協会けんぽ以外の国保に加入している場合も保険料額が変更になる可能性がありますので、加入している国保のホームページなどで確認しておきましょう。
雇用保険料率は4/1から変更
雇用保険料率は例年4/1から改定されます。
今年は改定はなく、昨年と同じ保険料率のままです。
出典: https://www.mhlw.go.jp/content/001211914.pdf
雇用保険料率も基本的には年に一度の改正ですが、2022年度は4/1〜9/30と10/1~翌年3/31で雇用保険料率が異なったこともあり、今後もイレギュラーが発生する可能性はありえます。
給与計算実務上の注意点
社会保険料は翌月控除か当月控除かで対応が異なる
社会保険料(健康保険料・介護保険料)の控除額の変更月は、翌月控除か当月控除かで異なります。
翌月控除の場合 | 4月控除分から控除額を変更 |
当月控除の場合 | 3月控除分から控除額を変更 |
給与計算ソフトを利用している場合も、ソフトの設定上の控除月が誤っていると誤った月から控除額が変更されてしまうため、毎年この時期には設定を見直すことをおすすめします。
クラウド型の給与計算ソフトを使用していない場合は変更が必要
マネーフォワード、freeeなどのクラウド型の給与計算ソフトを利用している場合、保険料率は自動的に最新のものに更新されます。
ただし弥生給与などのインストール型のソフトを使用している場合は手動で変更する必要があるため要注意です。
また給与計算ソフトを使用せずExcel等で給与計算をしている場合も計算式を修正する必要があります。
入退社時はとくにミスをしやすいので要注意
3月・4月は年度末・年度始めのため入退社が多い時期ですが、入退社時はとくにミスが起きやすいので要注意です。
例)
- 給与は末〆・当月末払い
- 社会保険料は翌月控除
- 3/31に退職
3/31に支給する給与が最終分になるため、2月分・3月分の2ヶ月分の社会保険料を控除する必要があります。
この際、控除する2ヶ月分は2月分(=変更前の保険料)+3月分(=変更後の保険料)となります。
単純に保険料額を2倍するのではない点に注意が必要です。
まとめ
2024年度の保険料率の変更については以下の通りです。
健康保険 | 変更あり |
介護保険 | 変更あり |
厚生年金 | 変更なし |
雇用保険 | 変更なし |
社会保険料を翌月控除で徴収している会社では4月から、当月控除で徴収している会社では3月から、保険料の金額変更を忘れないよう気をつけましょう。
毎月の給与計算にご不安がある場合はぜひご相談ください。